【保存版】富士山「プリンスルート」アクセスから下山まで徹底解説

登山情報

富士山の魅力を余すことなく感じられるプリンスルート

コロナの変異株が猛威を振るっています。2020年は、富士山は閉山となり登る事ができませんでした。2021年は果たしてどうなるのでしょうか。きっと、登れるようになるのではないでしょうか。

富士山に登るとなった時、一番有名な吉田ルートを選ぶ場合が多いではないでしょう。コロナ渦ということもあり、やはり気になるのは人の多さです。

富士山登山で選ぶべきは、プリンスルートです。
コロナ渦ではなくても、すべての富士山登山者におすすめです。

皇太子さまが登られたことから、プリンスルートと名付けられています。皇太子さまに富士山の良い所を余すことなく楽しんでいただきたいとの想いからのルート。つまり、富士山の登山ルートの中で最も魅力的なルートなんですね。

メリット・デメリットは?

主に4つのメリットがあります。

  1. 富士山の登山ルートの中で、最も人が少ない
  2. 山小屋のサービスがいい
  3. 宝永山・駿河湾や太平洋を一望・大砂走りなど富士山の魅力をすべて味わえる
  4. 富士山の火口に到着してから富士山最高点まで一番近い

デメリットは、以下の2つです。

  • 体力が必要(3kmを止まらずに走れる程度は最低限)
  • 山小屋と山小屋が他のルートと比べると遠い

メリット・デメリットを詳しく

1.富士山の登山ルートの中で、最も人が少ない

人が少ないということは、自分のペースで歩けるという事です。山小屋が密にならない。景色をじっくり眺めたり、立ち止まって写真を撮る事ができます。

人が少ないだけで、こんなにいい事があります。なお、人が少ないからと言って、山小屋が充実していないわけではないのです。

2.山小屋のサービスが良い

人が少ない分、スタッフの方に余裕が感じられます。その分、他のルートと比べるとサービスの質が高いです。カレー食べ放題とか、到着時にお茶を出してくれるとか、寝る場所が少しだけ広いとか。

ただし、山小屋の数自体は、吉田ルートや富士宮ルートと比べるとすこしだけ少ないです。休業中の山小屋もあるので、山小屋と山小屋の間隔は少し離れているように感じます。

3.宝永山・駿河湾や太平洋を一望・大砂走りなど富士山の魅力をすべて味わえる

宝永山・駿河湾や太平洋を一望・大砂走りなど、富士山の魅力を余すことなく味わえるルートです。

体力のある健脚の方ならば、日帰りも可能です。日帰りで、富士山の魅力をすべて味わえるのはいいですよね。

なお、最もメジャーな吉田ルートは山梨県側つまり太平洋の反対側から登る事になるので、山頂まで海は見えません。

4.富士山の火口に到着してから富士山最高点まで一番近い

建物が建っているところが、富士山最高点(剣ヶ峰)

吉田ルートであれ、富士宮ルートであれ、まずは富士山の火口に到着します。火口は円形です。その中で一番高い所が、剣ヶ峰と呼ばれる富士山の最高点です。火口に到着してから剣ヶ峰まで一番近いルートがプリンスルート(御殿場ルート)なんですね。

ちなみに吉田ルートは最も遠いです。火口を半周回らなければなりません。

ルートの詳細と計画

【ルート概要】
富士宮新5合目登山口~富士宮新6合目~宝永山火口~御殿場6合目~赤岩8号館(宿泊地)~富士山山頂剣ヶ峰~お鉢巡り~御殿場ルート~大砂走り~御殿場新5合目

【日程】
1泊2日がおすすめだが、日帰りでも可

【標準コースタイム】
1日目:4時間30分、2日目:6時間30分、その内1時間15分がお鉢巡り※休憩は含みません

【距離】
17km(1日目:4.5km、2日目:12.5km、その内お鉢巡り2km)

【高低差登り】1,376m

【高低差下り】2,336m

【体力レベル】
1泊2日:★★★★☆ 日帰り:★★★★★

【危険箇所】宝永山火口部の落石

富士山プリンスルートの魅力・見どころ

宝永山火口

富士宮新6合目から宝永山火口を通って御殿場ルートに接続します。その時に、宝永山の火口の中を突っ切ります。宝永山の火口のふちを通るのではありませんよ。ちょっと想像できませんよね。

登山道は整備されていて、歩きやすいので心配は無用です。

宝永山火口では、落下中の落石もみることができます。登山道の上にも巨大な火山岩質の岩が転がっています。小さいのもあれば、車や重機くらいのものも転がっていますね。もちろん登山道まで転がってくることはほとんどありませんが、注意して素早く通り抜けましょう。

車より大きい岩が、転がって別の岩にぶち当たり砕けるさまには衝撃を受けます。運が良ければ、見ることができます。

一つだけデメリットがあります。火口から登るときの道が、砂のような道になっているんですね。ここがめちゃめちゃしんどくて、3歩進んで1歩さがるみたいな感じです。傾斜の急な砂浜を歩いている感覚ですね。

駿河湾・太平洋を望む絶景

富士宮新5合目からの眺望

プリンスルートは、静岡県側の富士宮新5合目登山口から登ります。すなわち、太平洋側から登るので、駿河湾を一望できるんです。駿河湾はシラスやサクラエビが有名ですよね。下山後は、海鮮丼を食べようか。そんな気分にさせてくれます。

しかも5合目の時点で、2,400m。すでに雲が自分より下に見えてます。雲と駿河湾のマッチは、すごくキレイです。ちなみに曇っていると何も見えません(笑) 逆に雲海が非常にきれいですけどね。まるで、雪山のようなおとぎ話のような。。

山頂・お鉢巡り・ご来光

これは、全ルート共通の魅力です。剣ヶ峰山頂とお鉢巡り(富士山火口を周回)を楽しみましょう。

御殿場ルート(プリンスルート)・富士宮ルートは、最高点(剣ヶ峰)が最も近いルートです。

近いのですが、そこはもはや3,700m級の世界。はやる心を抑えてゆっくり呼吸を整えて登りましょう。意外とここを走る人がいるんですね。わたしもそうでした。走るとどうなるか、、、しっかり高山病になります(笑)

剣ヶ峰で記念撮影した後、そのまま下山するのもいいですが、お鉢巡り。富士山の火口を一周してみましょう。1時間から1時間半くらいで一周する事ができます。

途中、吉田ルートの火口合流地点があります。山小屋やお土産屋が充実していて、登山バッチを買う絶好の機会です。

コカ・コーラの自動販売機があってキンキンに冷えたコーラが飲めます。生ぬるいお茶やスポーツ飲料しか飲んでないので、平地の3倍はおいしく感じます。1本だいたい500円くらいですが、十分元が取れます。

ちなみに火口の最深部は、8合目と同じ標高らしいです。深い。。。

大砂走り

文字通り砂の下山道を走って降りる事ができます。そのまま、御殿場新5合目まで一気に下ります。

そこそこの傾斜もあって、膝への負担も小さいため、一歩で3m進むことができます。前日の疲れも残っているし、御殿場新5合目がかなり遠くに見えるのに、すがすがしい気持ちで前へ前へって感じで楽しんで下山する事ができます。

プリンスルート・御殿場ルートを選択した人へのご褒美かもしれません。

デメリットが、御殿場6合目と御殿場新5合目までが遠い。。。ここで、おなかが痛くなったりすれば一貫の終わりです。青空の元やるしかないのですが、岩も木もなく隠れるところが皆無です、、、どうしても心配な方は、少し大砂走りを楽しみ、再び宝永山火口を通り富士宮新5合目登山に口に下るのもいいかもしれません。

駐車場まで・登山口まで・下山口からのアクセス

駐車場までのアクセス

残念ながら、富士山開山中はマイカー規制の為、富士宮新5合目まで自家用車で行くことができません。

したがって、自家用車で行く場合は、水ヶ塚公園駐車場に駐車しましょう。ここから、富士宮新5合目までシャトルバスが出ています。また、タクシーも待機しています。

水ヶ塚駐車場から富士宮新5合目までのアクセス

水ヶ塚駐車場から富士宮新5合目までのアクセス方法は2つ。シャトルバスに乗るかタクシーに乗るかです。

シャトルバスは座席に座れる人数しか乗れません。立ちっぱなしとかにはならないです。なお、混雑が予想される日にはかなりの増便があります。何時間も待つなんてことは、発生しないので安心してください。

シャトルバスタクシー
所要時間40分25~40分
料金片道:¥1,150
往復:¥1,800
小型:¥4,400
中型:¥5,200
大型:¥6,200
ジャンボ:¥6,400
※片道料金。深夜は2割増し
乗車人数1台50人程度
混雑する時間は数台出る。
小型:4人
中型:5人
大型:5人
ジャンボ:9人
時刻表始発~8時:30分間隔
18時~最終:30分間隔
それ以外:1時間間隔
24時間
予約不可
※タクシー会社に要確認
※料金はあくまで目安です。状況により変動する事があります。

マイカー規制についての詳細は、静岡県のホームページをご覧ください。

御殿場新5合目から水ヶ塚公園までの戻り方

御殿場新5合目と水ヶ塚公園間は、マイカー規制対象外なので、自家用車で行き来する事ができます。初めに、御殿場新5合目に駐車しておいて、バスの乗り継ぎまたはタクシーで富士宮新5合目までアクセスするのも良いでしょう。

ここでは、水ヶ塚公園に駐車した場合、どのようにして御殿場新5合目から戻るのかを解説します。

路線バスタクシー
所要時間15分10分
料金¥500小型:¥1,900
中型:¥2,200
大型:¥2,600
ジャンボ:¥2,700
時刻表富士急行バスHP
最終:16:45発
24時間
※タクシー会社に要確認
※料金はあくまで目安です。状況により変動する事があります。

富士山登山の注意点

  • 熱中症と高山病対策が必須です
  • こまめな休憩と水分補給を行いましょう。日影がほとんどなく、涼が取りにくいです。したがって、手持ち扇風機を持って行く事をおすすめします。
  • 高山病予防薬を持ってくのも一つの手です
  • 7時間以上の睡眠時間を確保すること
  • 5合目登山口に着いたら、30分~1時間ほど高地順応してから登り始める
  • 高所に着いていきなり寝ないこと。呼吸が浅くなり、高山病を発症しやすくなるため。
  • 山小屋には、かなり早く着いた方がいい。着順で寝る場所が決まる。早い方が、快適な場所を取れますよ。
  • 想像の数倍寒い。特にご来光待ちの夜中は、真冬だと思って装備を整えること。
  • 落石に注意!過去に死亡事故も

持ち物(必要最低限)

  • 水分1.5L以上:途中の山小屋でも買えるが、1.5L以上は持っておくべき
  • 防寒着上下:真冬でも耐えれるくらいのものを。
  • ゲーター・スパッツ:靴に砂が入るのを防いでくれる
  • ストック:あれば楽に登れる。
  • 汗拭きシート等:山小屋泊で使える。
  • ポータブル充電器
  • 行動食2食以上:一日目と2日目の昼ご飯。夜ごはんと朝ごはんは山小屋で食べるといいかも。
  • カッパ絶対必須。夕立に見舞われることが多々あります。
  • タオル
  • ファーストエイドキット(救急セット)
  • 着替えのTシャツ

おすすめ山小屋情報

皇太子さまも宿泊になられた、赤岩八号館(標高:3,300m)が最もおすすめです。夕食にカレーライスが食べ放題なんです(笑)

また、ここからみるご来光も山頂と何ら遜色ありません。ちなみに、多くの人が、山頂で見るのも赤岩八合館で見るのも変わらないとおっしゃってました(笑)

夕日がおりなす、影富士も絶景です。

富士山wifiも使えるので、電波関係も安心です。また、有料ですが、スマホの充電サービスもあるそう。

注意:山小屋の予約は、必ず事前に取るようにしてください。

料金(税込)備考
1泊2食¥8,000夕食・朝食付き
1泊1食¥7,500
素泊まり¥6,500

まとめ

いかがでしょうか。富士山に登るならば、プリンスルートが圧倒的におすすめです。駿河湾を望む絶景・宝永山火口・大砂走りと富士山の見どころを網羅しているからです。

体力的にもしんどい山です。しっかりと睡眠をとって、高山病・熱中症に気を付けて安全登山で楽しんでください。

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